ドクターが教える医学的根拠に基づいた健康になるための独自レシピ|ドクターレシピ

ドクターが教える医学的根拠に基づいた健康になるための独自レシピ|ドクターレシピ
小林智子

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皮膚科医 ドクターレシピ監修 小林智子

健康的な生活を送る上で毎日の食事はとても重要です。「Dr.recipe(ドクターレシピ)」では常に新しくアップデートされる医学論文のデータに基づいた、健康増進・アンチエイジングに効果的なレシピを皆さまに提供いたします。

アトピー改善のための食事メソッドAtopy

アトピーと食事

「Dr.recipe(ドクターレシピ)」は、当初 アトピーで悩んでいる方のためのレシピとして紹介していく予定でした。
私は皮膚科医としてアトピーの患者さんを多く診察する一方、大学院ではアトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関連性についての研究をしました。
これまでの診療の中で感じるのは、アトピー の患者さんひとりひとりに対して食事やストレスなど総括的な指導まで行うことが環境的にも時間的にも難しいのが現状だということです。 特に重症化している患者さんの場合、心身のストレスが大きく、治療の経過の中でトラウマ的な経験をして医療不信を招いてしまった方が少なくないのです。そして自己判断で 外用薬などの治療を放棄してしまったり、民間療法に頼ってしまったりして余計に症状がひどくなるケースをよく目にします。
医療者側と患者側とのコミュニケーション不足も正しい情報が伝わらない要因のひとつだと思います。 必要な情報を正しく 伝える必要性は日増しに高まっていると感じます。
以前より、アトピー性皮膚炎の症状と食事方法は密接な関わりがあるのではないかと 言われていますが 、実際のところ栄養学の研究は生物科学部などの医学部以外で行われることの方が多く、 まだ研究範囲は限られています。
私はアトピー性皮膚炎と食事に関する論文を色々読んでいくうちに、アトピーによいと言われる料理は、その理由を考慮するとアトピーではない人にとっても健康増進に効果のあるレシピになると考えました。それは美やアンチエイジングにもつながる理論です。それならば自分自身や家族のために実際に作ってみよう、と思い作ったのが「Dr.recipe(ドクターレシピ)」のきっかけです。
よくアトピーにはこれはだめ、あれもだめと色々な制限を耳にしますが、そのことが 逆にストレスになって症状を増悪させる可能性があります。制限については最小限にして、その他のポイントを上手に応用することが重要だと考えます。
もちろん、アトピーの場合保湿などの基本的なケアを怠ってはいけません。基本ができての上の食事療法ということを忘れないでください。その上で食事についてはドクターレシピのメソッドを取り入れていただけたら本望です。
以下に、アトピーの方に特に取り入れていただきたいポイントをまとめました。
具体的なレシピについてはブログなど参照していただけたらと思います。

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基本・総論編

1, 腸内環境を整える

腸内には1000種類ほどの細菌が生息しており、その数は1000兆個にものぼります。この腸内細菌がアトピー性皮膚炎を始めとする免疫疾患 に対して大きな働きを担うことが分かり、腸内環境を改善することが重要 です。腸内環境を改善する栄養素として主に以下のものが挙げられます。

  • プロバイオティクス(生きたまま腸に届く身体にいい働きをする微生物やそれを含む食品のこと):ヨーグルトや納豆などの発酵食品
  • プレバイオティクス(善玉菌の栄養源となって増殖を促すような食品のこと):きのこや海藻などの食物繊維、オリゴ糖
  • フィトケミカル(以下のものをまとめて呼びます)
  • ポリフェノール:フラボノイド(ベリー系)、イソフラボン、カテキン
  • スルフォラファン:ブロッコリー、スーパースプラウトなど
  • カロテノイド:トマト、ホウレン草など

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2, 新鮮なものを選ぶ

食品の鮮度が下がるとカビが発生しやすくなり、 酸化が進みます。 カビ毒や酸化が進んだ食品を摂取すると、身体の中で「炎症」が起こりやすくなり、アトピーの増悪を招くことになります。時間がたった揚げ物の場合も油が酸化いるのでできるだけ避けてください。

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3, 偏食をしない、極端な制限をしない

ストレスはみなさんが考えている以上にアトピーの症状を左右します。もちろんもともと食物アレルギーを引き起こすと分かっている食品や実際に食べてみて合わない食品は控える必要がありますが、バランスのよい食事を摂って健康的にアトピーを改善していきましょう。

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応用・各論編

1, タンパク質はバランスよく

タンパク質には動物性、 植物性由来とあり、動物性タンパク質は良質なタンパクである一方 、食べ過ぎると腸内環境を悪化させる原因になります。タンパク質が不足するとドライスキンになりやすくアトピーの場合増悪因子となりますのでバランスよくしっかり摂取することが重要です。

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2, 良質な脂質を積極的に摂取する

最近の研究でオメガ3脂肪酸に抗炎症作用や保湿効果があることが分かってきました。現代の食事ではオメガ3が不足しがちです。サーモンなどの青魚やえごま油などオメガ3を多く含む食品を意識的に取り入れてみましょう。

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3, 炭水化物はなるべく精製されていないものを選ぶ

精製された砂糖の過剰摂取は、腸内環境を悪化させます。一方玄米や全粒粉のパンなどは食物繊維やミネラルなどが比較的多く含まれており、プレバイオティクスとして腸内環境を改善する効果が期待できます。

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4, 不足しがちなビタミンDを積極的に取り入れる

ビタミンDは免疫調節機能を持っており、アトピー性皮膚炎の活動性に関わると考えられています。通常紫外線により合成されますが、紫外線量が減少する冬などは不足しがちです。ビタミンDは干ししいたけやきくらげ、いわしなどの魚に多く含まれます。

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5, ハーブを食事に取り入れる

ハーブには 香りがアップしいつもの食事をワンランクアップさせてくれる効果だけでなく、免疫力を高め、胃腸の働きを強めて腸を刺激する効果があります。料理の仕上げに上手に取り入れてみてください。

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