ドクターが教える医学的根拠に基づいた健康になるための独自レシピ|ドクターレシピ

ドクターが教える医学的根拠に基づいた健康になるための独自レシピ|ドクターレシピ
小林智子

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皮膚科医 ドクターレシピ監修 小林智子

健康的な生活を送る上で毎日の食事はとても重要です。「Dr.recipe(ドクターレシピ)」では常に新しくアップデートされる医学論文のデータに基づいた、健康増進・アンチエイジングに効果的なレシピを皆さまに提供いたします。

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なぜ、ジムに通うだけでは体重が減らないのか

2016/4/29   Category: Blog Diet Medical topic

運動していればカロリーを消費できます。それは紛れもない事実のはずなのに、ジムに行ってるのにも関わらずなぜか体重が減らない、なんでだろう?そう思ったことはありませんか?

もちろん、適度な運動が健康維持にとても重要であることには変わりありません。たくさんの医学的エビデンスもあります。それに運動した後はご飯も美味しいし気分もいいですよね。運動がwell-being(身体的・精神的に健康でいること)に大きく貢献することは言うまでもありません。

しかし、「運動すればするほど消費カロリーがアップして痩せるわけではない!」のです。

現代のライフスタイルは昔と比べると大きく異なり、肥満人口が増加しているのは消費カロリーが減ったからだと言われていました。しかし、これは少し前に話題になったことなのですが、現代も狩猟生活を続けるタンザニアのハッツァ族と先進国で生活する現代人では実は消費カロリーは同じであることが明らかになりました。つまり、肥満の原因は消費カロリーの減少ではなく、摂取カロリーの増加であることが明確になったのです。

いや、待てよ。そもそもなんでハッツァ族と現代人の消費カロリーが同じなんだ?ってなりますよね。この事実によって消費カロリーと生活スタイルおよび生活強度の関係性についての研究が始まったわけですが、ここに生活習慣もばらばらな成人約300名を対象に行った研究があります。

論文によると、適度な運動量(論文ではプラス200kcalほどの運動)のうちはある程度1日の消費カロリーは増えますが、それ以上の激しい運動を行っても身体がその運動量にあった代謝モードに「適応」し、頑張って運動しても結果的に1日の消費カロリーは横ばいになるということが分かったのです。例えて言うと、激しい運動をしても身体が「省エネモード」入ってしまいカロリーを消費するスイッチが切ってしまうため、消費カロリーがある一定で抑えられてしまうということです。

200kcalの運動量というと、約1時間のウォーキング、約30分のエアロバイク、ジョギングに相当します。それくらいが一番効率よくエネルギーを消費することができると考えると、なんだか気持ちが楽になりますね(笑)。

このことはつまり、もしダイエットをして体重を減らしたいのであれば、運動よりも食事の方がずっと大事だということになります。よく美味しいレストランに行っていた頃は、たくさん食べた分いつも翌日にジムで頑張って運動していたので個人的にこの報告はとても残念。そう考えるとお金も同じで、お金を貯めたいのであれば収入を増やすのではなく節約しなさい、と言い換えられるのでしょうか。浪費家の私にはこれまた大変頭が痛いです(笑)。

ちなみに運動は空腹時にした方が脂肪がより燃焼されるので、効率を重視するのであれば食後よりも食前がおすすめです。私は朝起きて着替えたらそのまますっぴんでジムで軽くジョギングをしております。朝は人も少ないし(いてもご高齢の方々)、まったく気になりませんよ。ご参考までに(笑)。

参考文献:Herman Pontzer, et al: Constrained Total Energy Expenditure and Metabolic Adaptation to Physical Activity in Adult Humans: Current Biology, 2016, 26(3)410-417

bun