ドクターが教える医学的根拠に基づいた健康になるための独自レシピ|ドクターレシピ

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小林智子

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皮膚科医 ドクターレシピ監修 小林智子

健康的な生活を送る上で毎日の食事はとても重要です。「Dr.recipe(ドクターレシピ)」では常に新しくアップデートされる医学論文のデータに基づいた、健康増進・アンチエイジングに効果的なレシピを皆さまに提供いたします。

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花粉症で肌が荒れるのは何で?

2018/3/2   Category: Blog Medical topic Skincare

いよいよ、花粉症の季節がやってきましたね。ニュースによるとスギの飛散量は今年は去年のおよそ2倍だとか。あるデータでは都民のおよそ半数は花粉症とのことで、花粉症によって著しく低下する仕事効率はGDPにも影響するとも言われています。

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花粉症とは、医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」といい、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状ですが、アレルギー反応が目でも起こることもあり、結膜炎の症状を引き起こす人もいます。

それだけでなく「花粉症になると肌も荒れる」という声も多く聞かれます。鼻と目は何となく近いから同時に起こるのは想像しやすいけれど、皮膚まで調子が悪くなるのはなぜでしょうか。

それは花粉症の原因となるアレルゲンが、皮膚でも炎症反応を引き起こしてしまうから

メカニズムはまだ分かっていませんが、ある研究では、花粉などのアレルゲンが肌のバリア機能を低下させることが報告されています。もともと肌の一番表面にある角層は、外の刺激から身体を守るようにラップフィルムのように覆っており、それによって肌は適切な水分量を維持しています。しかしバリア機能が低下してしまうとアレルゲンが容易に皮膚から侵入し、異物と判断した私たちの身体はそこで炎症を引き起こしてしまうのです。

炎症が起こるとむくんだり、血管が開くことによって赤ら顔になったりかゆみを引き起こしたりします。さらに、バリア機能が低下すると水分が蒸発しやすくなってしまうため、肌は乾燥してしまいます。かゆみが起こってこすったりするとその摩擦でさらに肌のバリア機能が低下してしまうため悪循環となってしまいます。このような反応が、単独のアレルゲンで反応が出なくても、他のアレルゲンとくっつくことで反応を起こしたりすることもあるようです。

実際に、アトピーがある人のおよそ3割でスギ花粉の時期にアトピーの症状が悪化することが知られており、これを「スギ花粉皮膚炎」と言います。アトピーがない方で目の周りや首などに蕁麻疹のように腫れぼったい湿疹ができる場合があります。該当する場合は早めに皮膚科を受診してください。

もうひとつ、春先に肌が荒れる原因は「紫外線」です。紫外線は肌の細胞に炎症をもたらすため、肌の状態が一層敏感になり、状態を増悪させてしまうのです。

花粉症による肌荒れにはどのようなケアが必要なのでしょうか。まずは保湿をすることが重要です。特に目の周りはもともと皮膚が薄いため、紫外線や花粉により肌荒れを起こしやすい部位。アイクリームがなくとも柔らかいテクスチャーのクリームでアイケアを行うようにしてください。

そしてUVケアもお忘れなく。UVケアは、冬だからいいやと思っておろそかにしてしまう方もいるかもしれませんが基本的には通年でのケアが必要です。花粉症の方はマスクだけでなく日焼け止めもつけるように心がけてください。

すでにアレルギー反応によってかゆみや赤みが出てしまっている場合は、早めに皮膚科を受診した方がベターです。自己流で炎症がひどくなってしまうと「炎症後色素沈着」といって痕になってしまうこともあるからです。ステロイド剤を塗って一度悪循環を断ち切ってから、保湿やUVケアといったホームケアを行う方が長期的には肌はきれいになります。

花粉症と肌荒れについての説明は3月号のMart(光文社)に掲載されていますが、誌面ではなかなか詳しくはご紹介できなかったのでこちらでも。ちなみに写真は花粉と全く関係ない南仏のエクスアンプロバンスという街の様子です。緑がきれいだったなぁと思い出しまして。花粉はいやだけれど早く春になってほしいなぁ。