- 糖化と運動
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ゴールデンウィークも終わってしまいましたね。みなさまいかがお過ごしだったでしょうか?私の妹がこの4月から研修医として働き始めたのですが、もともと新しい環境にすぐになじめるタイプではないのでゴールデンウィークはもっぱら家にひきこもっていたそうです(笑)。
この時期によく聞かれる「五月病」とは、もともと春から入学や一人暮らし、異動などによって新しい環境に変わり、やる気はあるもののなかなかそれに適応できないでいる人がうつ病に似た症状を起こすことを言います。厳密には「病気」ではありませんが、ストレスが大きな原因であることは間違いありません。
今日は、そんなストレス対策についてご紹介したいと思います。ストレス解消法は人それぞれですが、アンケートによると「とにかく寝ること」が最も高いのですが、なかなか職場となるとできませんよね。一方、職場でのストレス解消法としては「お茶やコーヒーを飲む」「甘いものを食べる」がアンケートではポイントが高い結果となりましたが、これらの方法は医学的にどうなのでしょうか。
まず、お茶やコーヒー。これらにはカフェインが多く含まれていることが知られています。カフェインは少量であれば問題ありませんが、大量に摂取した場合は不安やいらいらの増悪因子になることが分かっています。研究によってカフェインの「大量」の定義は異なりますが、300mgでもストレスレベルが倍になったという報告があります。スタバのコーヒーの場合、種類にもよりますがグランデで330mgのカフェイン量と言われています。以上より、お茶やコーヒーでストレスを解消しようとする場合は「ほどほど」がおすすめです。
さて次に甘いものはどうでしょうか。甘いものに多く含まれる砂糖は、摂れば摂るほど幸福感が増すと言われています。しかし、砂糖には脳のドーパミン分泌を促す作用があり、それにより砂糖に対する中毒性を持ってしまいます。砂糖はみなさんご存知の通り体重増加や生活習慣病の原因となるため、ストレスを感じるからと言ってやみくもに甘いものを食べるのはやめるべきです。
けれど甘いものは食べたい!ですよね。そんなあなたには、70%カカオ以上のチョコレートはいかがでしょうか。最近の研究で、チョコレートの中でも「ダークチョコレート」がストレスを減らし、体内の炎症を抑えるということが報告されています。ストレスに効果があるのはチョコレートの原材料であるカカオに多く含まれる「フラボノイド」。これまでの報告でストレスに効果があったのは、いずれも70%カカオ以上のものです。チョコレートを購入するときは、ラベルを見てカカオの含有量を確認してみてください。
ちょっとした工夫でストレスレベルは減らせます。職場ではほどほどのコーヒーとダークチョコ。そして家で思いっきり寝てぜひ乗り越えましょう!
参考文献:
・Anthony PW, et al. Neuropsychiatric effects of caffeine. Advances in Psychiatric Treatment, Volume 11, Issue 6 November 2005 , pp. 432-439
・Avena NM, et al.Evidence for sugar addiction: Behavioral and neurochemical effects of intermittent, excessive sugar intake.Neurosci Biobehav Rev. 2008;32(1):20-39
・Loma Linda University Adventist Health Sciences Center. Note: Content may be edited for style and length.