- 糖化と運動
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先日、久しぶりにシカゴでハーフマラソンを走ってきました!出産前は毎日5kmくらい走ることも特に苦ではありませんでしたが、練習する時間もなかなか取れず、本番前も10km程度しか走ることができなかったのでどうなるかと心配でした。タイムは思ったよりもよかったのですが、本当にきつかったです・・。
そんなタイミングで、ジョギングのモチベーションを高めてくれそうな?(笑)、面白い論文を見つけました。それは、ハードなエクササイズがアンチエイジングに効果がある可能性がある、という内容のもの。
これまでにも、運動とアンチエイジングに関する研究はたくさん出ているのでそれだけではふーん、という程度ですが、タイトルにあるように、「9歳」という具体的な数字を目にすると、どういう研究なのか気になります。
エイジングには、染色体の「テロメア」が関係すると言われており、加齢に従ってこのテロメアの長さが徐々に短くなっていくことで加齢が進むという考え方が広く知られています。今回の研究では、ハードなエクササイズによってテロメアの長さに変化が認められた、というもの。それが結果として細胞レベルでハードなエクササイズをしている人としていない人で「9歳」の差が出たというのです。
実際に見た目に反映された、という結果ではないので、今回の研究が「ハードなエクササイズが目に見えて効果がある!」と断定はできるものではありませんが、運動がテロメアを介してアンチエイジングに働きかけるというのはなかなか面白い結果です。
さて、ここで「ハードなエクササイズ」ってどれくらいか、という質問が出てくると思いますが、研究によるとジョギングを1回30分(男性は40分)を週に5回。うーむ、なかなかハードルが高い。報告によると、ゆるいエクササイズでは何もしてない人とテロメアの長さに差はなかったとのことで、やるからには徹底してハードなエクササイズをしなきゃいけないのかぁ・・と少しがっかりしてしまいます(笑)。さらに、ジョギングと同等のハードなアクティビティでもいいのか、また30分は合計時間でもいいのか、についてはこれから要研究なので、もう少し詳しい結果が知りたいですね。
毎日ジョギングができたらハーフマラソンももう少し楽になるだろうなー、と思いつつ、まだ回復しない筋肉痛を言い訳に家でだらだらしています(笑)。
参考文献:
Larry A. Tucker. Physical activity and telomere length in U.S. men and women: An NHANES investigation. Preventive Medicine, 2017; 100: 145 DOI