- 糖化と運動
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apple watchやfitbitなど、フィットネスに使えるウェアラブルをよく見かけるようになりました。私もマラソンのときはいつもiphoneのアプリを使って速度や距離をモニターしていたのですが、GPSを使うのですぐに電池を消耗してしまうんですよね。。マラソン用にウェアラブルを買おうか未だに迷っているところです。
最新のウェアラブルでは、歩数や消費カロリーだけでなく、心拍数やエクササイズの記録や睡眠サイクル、自律神経の状態などもチェックすることができます。しかもスマホと連動できるところも魅力。デザインもかっこいいし、買うならどれかなぁと見ていたのですが、そんな矢先に気になるニュースが。それは「ウェアラブルはダイエットに効果がない」という研究結果が出た、というものです。
もう少し詳しく見てみると、この研究はダイエットプログラムの参加者をウェアラブルをつけるグループとつけないグループの二つに分けて、24ヶ月フォローしたもの。最初の6ヶ月は両方のグループでカウンセラーをつけ、その後はカウンセラーを継続させ、もう片方のグループにはカウンセラーをやめて代わりにウェアラブルを与えました。その結果、24ヶ月後では、ウェアラブルをつけなかったグループでは平均13ポンド(約5.9kg)体重が減ったのに対し、つけたグループでは平均7.7ポンド(約3.5kg)しか減らなかったそうです。
ウェアラブルによって、運動するモチベーションが上がり、ダイエットに効果がありそうなのになぜこのような差が出てしまったのでしょうか?ポイントは、この二つのグループの体重減少の差は最初はなかったものの、18ヶ月前後を境に差が生まれてしまったというところかな、思います。
つまり、ウェアラブルに表示されるデータをうまく自分自身でフィードバックできず、結果的にすぐに飽きてしまったからではないでしょうか。
もともと運動が好きで、自分の日々の活動量を知ることで運動する習慣を継続できるような好奇心が高い人には、ウェアラブルはその欲求をかなえてくれる画期的なデバイスになると思います。しかし、多くのそうでない人にとっては、結果としてデータがただの数字になってしまいます。私も新しく何かを始めるときはまず形から入りがちな方なのですが、ダイエットをしようと一大発起し、ウェアラブルを買っても、それに満足してすぐに飽きてしまっては非常にもったいないと思います。
ダイエットは、何度も言うように運動だけではなかなか成功しません。食事も大事です。それに長期的にダイエットを成功させるには、無理のない範囲での運動がポイントです。以前ある講義で、ダイエットの初心者は、最初はモチベーションが高く、一気に激しい運動をしがちだけれど、運動をしない日に「あの日たくさん運動したからいいや」とつい怠けてしまうことが多いという話を聞きました。これも今回の研究と同じことかな、と思います。
ウェアラブルだけに頼りすぎず、モチベーションが継続するような、食事を含めたトータル的な運動計画を、ダイエットを始めるときにはまず具体的に立てることが重要なんですね。そういえば、知り合いがfitbitを買ったけれど最近はアラームにしか使っていない、と言っていたので、彼に誰か適切なアドバイスをくれるようなトレーナーを紹介できたらいいなぁ(笑)。
参考文献:
John M, et al.Effect of Wearable Technology Combined With a Lifestyle Intervention on Long-term Weight LossThe IDEA Randomized Clinical Trial. JAMA. 2016;316(11):1161-1171