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プロテインバーならぬ「プロテインケーキ」はいかが?

  • 2016/03/11
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個人的な話になるのですが、アメリカに住んでから私の生活はいきなり「超」ヘルシーライフとなりました。日本でもジムは週に数回通ってはいたのですが、内容は筋トレとウォーキングを少しするくらい。チョコレートやアイスクリームを無制限に食べていたし(特に職場で)、美味しいレストランを食べ歩くのが大好きでした。

そんな私がアメリカでは、起きてまず化粧もせずにジムに行ってランニング、夜はほぼ毎日家でご飯(タンパク質多め)、月に一度マラソン大会に出場する生活になるなんて、自分でも驚きです(笑)。

そんなわけで(?)、私の生活においてプロテインパウダーはマストアイテムとなりました。そこで問題になったのはどのプロテインパウダーを選んだらいいのか?ということです。日本ではジムでのワークアウトの後に、ジムで売られているプロテインシェイクを適当に飲むくらいでどんなプロテインパウダーがいいかなんて正直考えたことありませんでした。しかし、アメリカのスーパー(写真はホールフーズ)のプロテインパウダーコーナーをご覧ください。

IMG_0085

これ全部プロテインパウダーです。こんなに!わ、分からない、、。そこで調べてみました。

プロテインパウダーには大きく分けて2種類あり、ひとつはホエイ(乳清のこと)を代表とする動物性由来のプロテイン、もうひとつは大豆を代表とする植物性由来のプロテインがあります。

シェアとしてはホエイプロテインが今は大半を占めていると思います。というのは、以前大豆プロテインに含まれる「phytoestrogens(フィトエストロゲン)」が、テストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンバランスを崩す可能性が指摘されており、敬遠する人もいたためです。

さらにホエイプロテインは、大豆プロテインと比較してプロテインの吸収速度が早く、タンパク質を構成するアミノ酸の中でも、特に筋タンパク質の合成に効率的に働く「BCAA(Branched Chain Amino Acids:分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれるアミノ酸が大豆プロテインよりも多いため、筋肉量増量を目的としている人にとってはホエイプロテインの方が向いていると考えられています。ちなみに大豆プロテインでもBCAAは摂取できますが、BCAAよりもアルギニンとグルタミンというアミノ酸の割合がやや多くなっています。

そしたら大豆プロテインではなくてホエイプロテインを摂ればいいのか?と言われると、必ずしもそういうことではなさそうです。これまで大豆プロテインに関する様々な研究で報告されていることは、

・筋肉量増加の効果は大豆プロテインもホエイプロテインも有意な差はない

・標準的な大豆プロテインの摂取量では、テストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンの値には影響を与えない。

・むしろ大豆プロテインに含まれるイソフラボンは乳がんなどの悪性腫瘍のリスクを減らし、さらに抗酸化作用を認める

・大豆プロテインは悪玉コレステロールを減らし、心血管病変のリスクを減少させる

こうやって見てみると、決して大豆プロテインがホエイプロテインと比べて劣っているわけではなさそうで、むしろ女性の場合はイソフラボンの効果を考えると大豆プロテインの方が優勢な気がします。

もちろん、ホエイは乳清なのでカゼインにアレルギーがある方や、乳糖の消化が悪くおなかをくだしやすい人は大豆プロテインにすべきです。しかし、これまであれこれ書きましたが、結局のところホエイプロテインと大豆プロテインを半々に混ぜて美味しいとこ取りするのがベストだというのが私の結論です(笑)。

さて、ここでようやくプロテインケーキについてです。以前からよくバナナとくるみを使ったパウンドケーキを作るのですが、今回トレーニング後にいい感じにおなかを満たす高タンパクなお菓子が作りたいと思い立ち、小麦粉をできるだけプロテインパウダーに置き換えたプロテインケーキを作ってみました。

焼く前の生地を味見したら、いかにもプロテインパウダーという味だったので不安になりましたが、実際に焼いてみるとほとんど100%小麦粉の場合と味は変わりません。それなのにカロリーカット、プロテインアップ!これからこちらのケーキにシフトしようかな(笑)。

ちなみに、普段の料理でもそうなのですが、特に大量に砂糖を使うお菓子作りのときには私は上白糖やグラニュー糖ではなく、オリゴ糖を含むてんさい糖やはちみつ、メープルシロップを使うように心がけています。オリゴ糖は腸内環境を整える効果があり、ミネラルも多く含みます。ぜひ活用してみてください。

<プロテインバナナパウンドケーキ>IMG_0062

○材料(18×8×高さ7cmのパウンドケーキ型)

・無塩バター 80g

・てんさい糖 80g

・卵(溶いておく) 2個

・プロテインパウダー 60g(およそ2スクープ)

・小麦粉 40g

・ベーキングパウダー  小1

・完熟バナナ(つぶしておく)(小) 2本

・くるみ(砕いておく) 30g

※卵とバターは室温に戻しておく。これがポイントです。

※オーブンを170℃に予熱しておく

○作り方

1、室温に戻したバターを練って白っぽくなるまで混ぜる

2、砂糖を3-4回に分けて入れ、空気を含ませるように混ぜる

3、溶き卵を5回程度に分けて加え、まんべんなく混ぜ合わせる

4、薄力粉、プロテインパウダー、ベーキングパウダーをふるいながら入れ、ゴムべらで粉っぽさがなくなるまでさっくり混ぜ合わせる。最後につぶしたバナナとくるみを加えてざくり混ぜ合わせ、型に生地を入れる

5、170℃のオーブンで45分程度焼く。途中で表面が色がついたらアルミホイルなどを上にかぶせてください

(1/10切れ:カロリー191kcal、タンパク質7.4g、脂質10.1g、炭水化物17.5g)

 

参考文献:

・Samantha Rubin, etal; A Randomized Double-Blind Clinical Pilot Trial Evaluating the Effect of Protein Source when Combined with Resistance Training on Body Composition and Sex Hormones in Adult Males: Experimental Biology,2005

・Anderson, etal; Meta-analysis of effects of soy protein intake on serum lipids in humans: N Engl J Med, 1995(333)276-282

・Barnes S, etal; The chemopreventive properties of soy isoflavonoids in animal models of breast cancer: Breast Cancer Research and Treatment, 1997(46)169-179

・Joseph W. Hartman, etal; The Effect of Differing Post Exercise Macronutrient Consumption on Resistance Training-Induced Adaptations in Novices Department of Kinesiology, McMaster University, Hamilton

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