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マッスルメモリーは本当に存在する?

  • 2018/02/16
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ジムに通っているけれど、一度足が遠のくとなかなか行くのが面倒になってしまう・・・そんな経験はありませんか。今日はそんなあなたに朗報(?)な「マッスルメモリー」に関するご紹介。マッスルメモリーとは、筋トレで鍛えた筋肉が、一度休憩をはさんでもとの状態に戻ってしまっても、次にまたトレーニングを行ったときに通常よりも早く筋肉が鍛えられる、という考え。

私の周りにも普段ボディービルダー並みに筋トレに励んでいる方が何人かいますが、そういう方でもあまりジムに行かない期間はあるようです。けれどみなさん「大丈夫、マッスルメモリーがあるから」とまったくそのことについては心配していない様子。そうはいうけれど本当かな?と半信半疑でいました。

しかし最近の論文で、マッスルメモリーの存在がDNAレベルで証明されたのです。なんと!

これまでにもマッスルメモリーが存在するという説はいくつかあったのですが、エピジェネティックなメカニズムが関与していると報告した論文は今回が初めてです。

論文では、7週間のトレーニングの後7週間トレーニングなし(インターバル)、そしてその後7週間またトレーニングを再開、というプログラムをトレーニングの経験がない男性を対象に行ったところ、下肢の筋肉量が最初のトレーニング期間で6.5%増加し、インターバルの期間ではトレーニング前の状態に戻ったものの、再トレーニングによって、12.4%の増加がみられた、という結果でした。

DNAの発現は脱メチル化が関与していて、筋トレによって一部のDNAが脱メチル化され、そして筋肉量が増加します。対象者のDNAを調べたところ、脱メチル化がインターバルの期間にまたもとの状態にもどるものと脱メチル化の状態を維持するものがあり、いずれも再トレーニングによってさらに大きな脱メチル化が起こることが分かりました。

この論文を見て、やはり普段から筋トレすべし!と思うのですが、具体的にどのくらいのトレーニングとどれくらいの期間でマッスルメモリーが機能するのか、その詳細はまだ不明です。さらなる研究の結果を待ちたいですね。

ところでトレーニングと言えば、現在オリンピック真っ只中ですね。4年間このときのためにひたすらトレーニングを行ってきた選手の背景を考えると、結果に関係なく感動してしまいます(今までそんなに感動することはなかったのですが)。やっぱりオリンピックって特別ですね。頑張ってほしいです!

参考文献:

Robert A. et al.  Human Skeletal Muscle Possesses an Epigenetic Memory of Hypertrophy. Scientific Reports, 2018; 8 (1) DOI: 10.1038/s41598-018-20287-3

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