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劣化しやすいサプリとは?

  • 2019/02/01
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先日部屋の片付けをしたら、去年のハワイ旅行で買ったサプリメントのボトルがいくつか出てきました。アメリカはご存知の通り、サプリメント大国。ドラッグストアやスーパーに行くと、あまりにも多い種類のサプリに目移りしてつい色々購入してしまうのですが、アメリカのサプリは容器も大きくて余ってしまうことが多いんですよね・・。

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みなさんも、例えば処方されてから少し時間が経っている医薬品を飲んだ経験はありませんか?医薬品の場合、もともと酸化しにくい構造になっていて、未開封の状態であれば半年〜3年程度効き目が変わらないように作られています。

しかし、サプリメントは医薬品ではありません。サプリメントはあくまで「食品」。明確な定義はないのですが、いわゆる「健康食品」というカテゴリーの中で錠剤やカプセル状になったものを指します。そのため、放っておくと酸化による劣化は避けられません。

中でも劣化しやすいのは、構造的に不安定な「DHA」などの不飽和脂肪酸。DHAは脳や神経の機能維持に重要な栄養素の一つで、これまでに妊娠中から積極的にDHAを摂取したお母さんから産まれた赤ちゃんは認知機能が高くなるという報告もあり、妊娠、授乳中の積極的なDHA摂取が健やかな赤ちゃんの発育に重要なのではないかと注目を集めています。

私も今妊娠中なので、毎日DHAのサプリメントを飲んでいるのですが、そういえば消費期限については確認していなかったなぁ、とちらり。無事、期限切れではありませんでした。

日本人の魚の摂取量は年々低下していて、平成18年以降は肉の摂取量が魚の摂取量を上回っています。つまり、青魚などに多く含まれるDHAなどの不飽和脂肪酸が不足しがちです。

お肉の方がコストも手間もかからない、というイメージがあるかもしれませんが、魚の切り身がストックであるとそれを塩焼きにしたり蒸したりと本当に重宝しますよ。

少し話が逸れましたが、普段からサプリメントを飲んでいるみなさん、あるいは買ったけれど飲んでいないサプリメントをお持ちのみなさん、一度ラベルをチェックして消費期限の切れた「劣化」サプリを飲んでいないか、確認してみてくださいね!

 

参考文献:

Hibbeln JR,  et al. Maternal seafood consumption in pregnancy and neurodevelopmental outcomes in childhood (ALSPAC study): an observational cohort study. Lancet. 2007;369(9561):578-85.

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