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子供のアレルギー予防に妊娠中からのビタミンD摂取を!でも注意が必要

  • 2016/09/30
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以前、妊娠中に摂るべき栄養素についてご紹介したのですが(こちら)、もっと知りたい!という声がありましたので今回はビタミンDのことをお話したいと思います。

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ビタミンDは主にカルシウムの吸収を促進するビタミンとして知られていますが、他にも免疫調節作用や抗炎症作用があることが分かっています。ビタミンDと妊娠中の栄養について分かっていることは

・妊娠中のビタミンD不足は生まれてくる子どもの喘息やアレルギーと関係する

・アトピーとビタミンおよびミネラル各種の関連性について調べた研究では、ビタミンDのみが関連性があった

・妊娠中に母親が摂取するビタミンDの量が多いと、生まれてくる子どもが5歳になったときに食物アレルゲン(卵や牛乳など)に対する抗体を低下させる(=食物アレルギーになりにくくする)

まとめると、妊娠中はビタミンD不足にならないように気をつけましょう、ということになります。具体的にどれくらいのビタミンを摂取したらいいかと言うと、諸説ありますがおよそ一日7.5〜10μgと言われています。

ビタミンDはビタミンの一種なので、野菜や果物から摂取できると思っている方がたまにいますが、ビタミンDはそれらからは摂取できません!主に魚やきのこ類に含まれ、特に鮭(1切れで約25μg)やさんま(1尾で約12μg)、さば(1尾で約9μg)などで豊富です。これらの魚はオメガ3脂肪酸であるDHA・EPAも多く含まれているため、妊娠中に積極的に摂りたい食材ですね。(ビタミンDの食品における含有量についてはこちらのサイトを参考にさせていただきました)

毎日魚を摂るのはなかなか難しいからサプリメントで手っ取り早く摂ればいい、という考えもあります。これは報告によってまちまちなのですが、論文の中にはサプリメントではアレルギー予防効果がなかったというものもあるので、できれば食品から摂取するように心がけた方がベターです。

そして、ビタミンDの約8割は紫外線により合成されるため、適度な日照浴が必要です。緯度にもよりますが、東京では1日20分程度の日照浴が推奨されます。日本人女性の場合、特に夏場などは徹底的なUVケアによりビタミンDの合成不足の人が多いと言われているので覚えておきましょう。

以上の点を踏まえて、さらに注意したいことがあります。それはビタミンDを摂取しすぎてもだめ、ということです。ある報告では、母親のビタミンD濃度が高い場合、生まれてくる子どもが2歳の時点で食物アレルギーになりやすいという報告がいくつかあるのです。摂取の上限は50μgと言われています。せっかく子どものことを考えて摂ったのにかえって逆効果に…というのは悲しいので、ぜひ頭に入れておきましょう。

何はともあれ、我が子のためにできることはしたい!というのが母性の始まり?食生活にも気を遣って健やかな妊娠生活をお送りくださいね。

参考文献:

Devereux G, et al. Maternal vitamin D intake during pregnancy and early childhood wheezing.Am J Clin Nutr.2007;85(3)853-9

Nwaru BI, et al.Maternal diet during pregnancy and allergic sensitization in the offspring by 5 yrs of age: a prospective cohort study. Pediatr Allergy Immunol,2010;29-37

Weisse K, et al.Maternal and newborn vitamin D status and its impact on food allergy development in the German LINA cohort study. Allergy,2013;68:147-153

Bunyavanich S, et al.Prenatal, perinatal, and childhood vitamin D exposure and their association with childhood allergic rhinitis and allergic sensitization.J Allergy Clin Immunol,2016:137(4)1063-70

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