- 糖化と運動
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先日、「パスタは食べても太らない」といった内容の論文が発表され、注目を集めました。パスタと言えば炭水化物の代表格でダイエットの大敵として見なされることが多いですが、なぜパスタを食べても太らないのでしょう。
その答えとして有力視されているのは、「GI値」。GIとは「glycemic index」の略で、血糖値がその食べ物によってどれくらい上がるかを数値化したものです。ブドウ糖を100とし、食品別に表します。このGI値が低いと血糖値の上昇が減る分、体内の血糖を調整する「インスリン」というホルモンの分泌が抑えられ、太るのを防ぐと考えられているのです。
同じ炭水化物系の食品でも、GI値は異なります。さて、次の炭水化物のうち一番GI値が高いものと低いものはどれでしょうか。
・精白米ごはん ・コーンフレーク ・玄米ごはん ・うどん ・パスタ ・白いパン
正解は、高いものから順に
・コーンフレーク(GI値81)
・白いパン(75)
・精白米ごはん(73)
・玄米ごはん(68)
・うどん(55)
・パスタ(49)
同じご飯でも、精白米よりも玄米の方がGI値が低く、血糖が上がりにくい分ダイエットには向いている食品と言えます。そして注目すべきはやはりパスタのGI値の低さでしょう。一般的に、GI値が55以下だと低GI食品にあたるため、パスタは低GI食品になりますね。
さて、次に考えたいのは同じパスタの中でも何パスタが健康面でいいのでしょうか。ここで「AGE」に注目してみたいと思います。AGEはこのブログでも何度も登場していますが簡単に言うと老化物質のことで、皮膚ではたるみやくすみをもたらし見た目年齢にも影響を及ぼします。その点で、AGEが作られにくい「低AGE食品」が美容にいいと言えます。AGEは食品だけでなく、調理法にも左右され、最近ではAGEをカロリーと同じように数値で換算することが可能になっています。代表的なパスタのAGEを数値で比較してみましょう。ちなみにいずれもパスタ100gでの値です。
・カルボナーラ:27033exAGE(1043kcal)
・ナポリタン:14408exAGE(643kcal)
・たらこスパ:3462exAGE(567kcal)
・ボンゴレ:2663exAGE(442kcal)
・ミートソース:2063wxAGE(616kcal)
・ペペロンチーノ:937exAGE(432kcal)
これでもお分かりのように、AGEが高いパスタは群を抜いてカルボナーラであることが分かります。カルボナーラはAGEだけでなくカロリーも高いですね。もちろん、AGEを考慮してパスタのときはいつもペペロンチーノを食べろ、とは言いませんが、AGEのことも少し念頭に入れてメニューを選ぶといいですね。ちなみに写真は息子の大好きなトマトや野菜をたっぷり入れたミートソースパスタです。いつも周りがぐちゃぐちゃになるのですが、いい食べっぷりを見たくてつい作ってしまいます(笑)。
参考文献:
Laura Chiavaroli, et al.Effect of pasta in the context of low-glycaemic index dietary patterns on body weight and markers of adiposity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials in adults. BMJ Open, 2018; 8 (3): e019438
exAGEハンドブック 一般社団法人AGE研究協会