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「アンチエイジング」と言っても色々な捉え方があると思いますが、皮膚科医なので今回は肌の「アンチエイジング」にとっても有効なスープをご紹介しようと思います。
その前に肌=皮膚について医学的に少し説明させてください。皮膚の主な役割は外界の様々な刺激から身体を守る「バリア機能」と、皮膚の表面から水分が蒸発することを防ぐ「保湿機能」の2つがあります。身体の最も外側にある皮膚だからこそ、様々な刺激を受けます。最たる原因は紫外線です。他にも排気ガスなどの大気汚染や電離放射線など、皮膚は常に有害な物質にさらされています。
「酸化ストレス』という言葉を聞いたことはありますか?大気中の酸素は紫外線を吸収して「一重項酸素」という分子的に不安定な「活性酵素」という細胞を酸化させる有害物質に変化します。一重項酸素は数ある活性酵素のひとつで、皮膚の炎症(日焼け)を起こしたり、ハリを保つ役割のコラーゲンなど にもダメージを与えたりすることでシやシワ、たるみなど皮膚の老化を進行させます。紫外線の酸化ストレスによってDNAやタンパクなどが損傷されて起こるこれらの現象を「光老化現象」と呼びます。
紫外線予防にはもちろん日焼け止め!ですよね?しかし残念ながら実は活性酵素はストレスや運動などによって身体の中からも発生してしまうのです。そのため食事による活性酵素対策が重要となってきます。
そこで登場するのが活性酵素を無効にする「抗酸化物質」を大量に摂取できるスープです!(前置きが長くなってしまい申し訳ありません笑)
それは・・・
ミネストローネ
です。
そうです、あのイタリアのトマトを主体としたスープです。なーんだ、普通じゃん。と思うかもしれません。抗酸化物質にも種類はいくつかありますが、一重項酸素を無効化する働きが最も高いものがトマトに豊富に含まれる「リコピン」なのです。
リコピンはカロテノイドのひとつで、体内でビタミンAとして働きます。他に抗酸化作用を有するビタミンC、ビタミンEと合わせてエース(ACE)と呼びます。
ミネストローネの具材は特に決まりはありませんが、私の場合、赤ピーマン、黄ピーマン、セロリ、人参、玉ねぎは欠かせません。ジャガイモを入れるとまろやかな味わいになります。リコピンは加熱した方が吸収がよく、トマト缶でも十分なリコピンを摂取することができますが、個人的に野菜本来の素朴な味が好きなのでトマトは2人前でも4-5個(大きさによって異なります)使っちゃいます。どんだけアンチエイジングしたいんだ(笑)。材料さえ揃えばとても簡単なレシピなので、ぜひトライしてみてください。下は前回私が使った野菜ですが、豆を入れたりパスタを入れたり色々応用できますよ。
○材料(2人前)
・トマト4個(湯むきし適当な大きさに切る、煮る過程で自然に崩れてきます)
・赤ピーマン1/2個
・黄ピーマン1/2個
・セロリ2本
・人参1-2本
・玉ねぎ1個
・ジャガイモ1個(いずれも食べやすい大きさに適当に切る)
・オリーブオイル大3
・コンソメ1個 (お湯400mlで溶かしておく※コンソメの種類によって異なる)
・塩、こしょう適量
○作り方
1、鍋にオリーブオイルを入れて玉ねぎ、人参、セロリの茎の順に炒める
2、しんなりしてきたらコンソメを溶いたお湯を加え、トマト、ピーマン、ジャガイモも追加する。(湯むきしたトマトは自然に形が崩れて溶けてきます)
3、弱火で1時間程度煮る。最後に塩こしょうで味を整える。
(1人前:カロリー350kcal、タンパク質6.0g、脂質18.8g、炭水化物50g、ビタミンA(レチノール当量968μg、ビタミンC 182mg、ビタミンE 7.4mg、食物繊維9.9g)