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先日、息子が6ヶ月となり、ズリ這いも始まっていよいよ目が離せなくなってきました。成長に伴って夜もぐっすり眠ってくれればいいのですが、なぜかまだ2時間おきに起きてしまうため、私の睡眠不足はまだまだ続いています。。
それはそれで、別の悩みが。それは産後の抜け毛です。気づいたのはここ1ヶ月以内で、その前からなんか髪の毛がよくフローリングに落ちてるなぁとは思っていたのですが、ある時ふと鏡を見たときにつむじ周辺の地肌が目立つようになっていたのです。産後脱毛はよくあるとはいえ、実際自分の身に起こるとやっぱりショック。そこで産後脱毛について改めて文献を調べてみました。
そもそも、髪の毛には毛周期というサイクルがあります。3つのフェーズがあり、成長期(87%)→退行期(13%)→休止期(1%未満)がノーマルの状態と言われています。
産後脱毛の場合は、このうちの休止期の状態の髪の毛が通常の1%未満からおよそ30-40%へと大きく変化することがわかっています(これを休止期脱毛と言います)。休止期というのは毛の成長が完全に止まる期間であるため、毛が抜けやすくなってしまうのです。
なぜ休止期の割合が増えてしまうのかについては明らかではありませんが、妊娠に伴う女性ホルモンの変化によるものではないかと考えられています。また、遺伝性はないと言われています。
これまでのアンケートの統計では、全ある統計では前頭部が6割程度、1割程度が全体的な薄毛を認め、大多数が出産から2ヶ月〜4ヶ月くらいから症状を認めるようになったと回答しています。
産後脱毛に影響する因子としては、授乳やビタミン不足、産後うつなどが言われていますが、これらの因果関係を調べた大規模スタディはないので実際のところ明らかではありません。
治療については、これまでステロイド外用やプラセンタ、シャンプーなどを使った比較試験がなされていますがいずれも有意な差はなく、特効薬は残念ながら今のところないのが現状。ただ、貧血でも同じように休止期脱毛になるため、出産後に貧血がある場合は鉄剤が有効かもしれません。また、母乳育児の場合はビタミン摂取が勧められます。他にもエビデンスは不明ながら、美容皮膚科の施術ではペプチドなどが配合された薬剤を注入するなどというものもあります。
とは言え、症状は一時的ですし、ほとんどの場合はまた発毛を認めるので、あまりストレスを抱えずにその時期が来るのを待つのが一番いいようです。通常の経過だと抜け毛が目立つようになってからおよそ6〜9ヶ月くらいで症状は治まってくるみたいです。中には出産後に甲状腺機能の異常によって脱毛を認めるケースもあるため、症状が深刻な場合は主治医に相談した方がいいですよ。
そう、産後脱毛は自然に戻ると言われますよね・・ただ私などは何かせずにはいられないタイプなので、リジンなどのサプリやミノキシジルの外用など試しに始めてみることにしました。経過についてはまたご報告したいと思います。それにしても髪の毛って本当に大事だなぁとしみじみ。若い時は、目鼻立ちや小顔といったところが気になっていたけど、歳を重ねていくとそれよりも健康的な肌質・髪質を求めていくようになる(あくまで私個人の話ですが)。早く髪の毛戻ってきますように(笑)。
参考文献:
・Bencel L, et al. Study of postpartum alopecia.Arch Dermatol. 1963;87:609-11
・Eastham JH, et al. Postpartum alopecia. Ann Pharmacother. 2001; 35(2):255-8
・Kominiarek MA, et al. Nutrition Recommendations in Pregnancy and Lactation. Med Clin North Am. 2016;100(6):1199-1215