- 糖化と運動
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あなたの身の回りで、ダイエットとはいかにも無縁で、常に健康的にスリムな体型を維持している人はいませんか?私の周りにも何人もいるのですが、その秘訣について聞いても決まって「特にないよ」と答えます。しかし、ある特徴はあるようです。
ひとつは食事です。アメリカ人を対象に行われたアンケート結果で、常にスリムな人はいつもダイエットを繰り返している人と比べて自炊している人の割合が高い一方、食べ過ぎに対する罪悪感が少ないということが明らかになっています。つまり、常にスリムな人は、食事を生活をより豊かに楽しむツールとして捉えているということが分かります。
ダイエット=食事制限 というイメージがあるかもしれませんが、特に極端なダイエットの場合、様々な食べ物を制限しては一定期間を過ぎると結局我慢できずに食べてしまうことの繰り返しになりがちです。実際に、アメリカ人のなんと95%はダイエットを始めても結果的に3ヶ月もたたずに失敗してしまうと言われています。さらに、ダイエットではカロリーを気にする人がとても多く、カロリーを気にしすぎるあまり、食事内容が貧相になったり栄養が偏ったりすると精神的にも身体的にもストレスになってしまいます。
先ほどのアンケートでは、常にスリムな人の半数以上が毎日夕食に野菜を、約4割が毎日昼食にサラダを摂っているという結果で、自然と野菜を摂取している食生活であることが分かりました。積極的に野菜を摂る食生活も、常にヘルシーでかつスリムでいることの秘訣なのです。
次に、生活習慣です。1日の消費エネルギーの内訳を見てみると、痩せている人と太っている人で大きな差が出るのは「NEAT(=Non-Exercise Activity Thermogenesis:運動によらないエネルギー消費量)」。NEATとは、特別な運動以外の「立つ」「座る」「歩く」ことで消費するカロリーのことで、痩せている人は太っている人と比べて立っていたり歩いていたりする時間が長く、反対に太っている人は座っている時間が長いことが特徴です。それだけで、1日でおよそ350kcalの差が生まれることが報告されています。350kcalは大きいですよね。ちなみに350kcal消費するためには、運動で換算するとこんな感じです。
・ランニング30分
・テニス40分
・ゴルフ(クラブを担いで)50分
・ウォーキング70分
消費カロリーを増やすためには、運動が手っ取り早い手段です。しかし、運動を始めた直後は消費カロリーが増加しますが、時間がたつうちに運動している安心感からか運動日のNEATが減り、運動しない日と消費カロリーが変わらなくなる、という報告もあります。運動を日頃から継続している人は問題ないと思いますが、これまで運動してこなかった方は「運動する」にこだわらず、それよりも些細なことでも身体を動かしフットワークを軽くすることが、常にスリムでいる秘訣のひとつです。最近では万歩計のスマートフォンアプリなどもたくさんあります。ゲーム感覚で自然と歩く時間を増やすきっかけになるのでおすすめですよ。
参考文献:
James A,et al:Non-Exercise Activity Thermogenesis; the crouching tiger hidden dragon of societal weight gain:Arterioscler Thromb Vasc Biol.2006;26(4):729-36