- 糖化と運動
- 運動が糖尿病のリスクを軽減することは広く知られています。同様に、運動が抗糖化対策になることもこれまでの報告で明らかになっております。実際に、同じ年齢のアスリートは、運動習慣のない人とCMLなどの老化物質AGEsの量が21 […]
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タイトル、特になぞなぞではありません笑。
最近少しずつお仕事を再開しており、先日、土木建築健康保険組合主催の疾病予防講演会にて、講演をさせていただきました。産後初めての仕事とあって少し緊張しましたが、話す内容も自由で結構です、と事前に伺っていたのでくだけた内容でお話させていただきました。
その中で質問があったのが、「異性化糖」について。馴染みのない単語に思えますが、実は私たちの日常生活にありふれたものなんです。異性化糖は、主に清涼飲料水などの甘みを出すために使われます。トウモロコシやサツマイモといったデンプンを、一度酵素で糖化して、それをさらに別の酵素で異性化したものです。
異性化糖の特徴は、ブドウ糖と比べて格段に甘いこと、そして安価なことです。そのため、ジュースやお菓子などに非常によく使われます。欧米では、1日およそ50g異性化糖を摂取していると言われていて、日本でも異性化糖の摂取量は増加していると言われています。
糖なので、摂りすぎると身体に良くないだろうなぁとなんとなく想像はつくかもしれませんが、そのような認識では甘い(砂糖だけに笑?)!なぜなら異性化糖は、ブドウ糖のおよそ10倍、糖化ストレスを引き起こすと言われているからです。
糖化ストレスについては、このブログでもこれまでに何度も紹介していますが、一言で言うと老化の原因。皮膚の場合はシミやしわ、たるみ、くるみといった老化現象すべてに関係しているのが糖化ストレスです。
老化にはもちろん生理的な老化現象があり、それだけでも私たちは年齢を重ねるにつれて老けていきます。そこに紫外線などの酸化ストレス、そして糖化ストレスが加わると、ダブルパンチで老化現象がどんどん促進されてしまうのです。40代くらいから、同窓会などで見た目があまり変わらない人もいる一方で、実年齢以上に老けて見えてしまっている人がいるのは、酸化ストレスや糖化ストレスの程度の差が見た目年齢の差の原因になっているからなのです。
つまり、日常生活の中でできる限り酸化ストレス・糖化ストレスは避けるに越したことはないということ。
異性化糖の話に戻りますが、食品表示では果糖ブドウ糖液糖(果糖が50%未満の場合ブドウ糖果糖液糖)と表記されています。ジュースを見てみると、やっぱりあります、果糖ブドウ糖液糖の文字が。みなさんも一度ジュースなどの清涼飲料水を飲む時は裏面を確認してみてください。買うのを躊躇すると思いますよ笑。
さて、タイトルの正解は「異性化糖」なのですが、異性化糖を構成する「果糖(フルクトース)」が単糖の中でも糖化反応を起こしやすいと言われています。果糖と言えばフルーツ。そしたらフルーツは摂らない方がいいのではないか、と思われがちですが、フルーツは量さえ気をつければ、摂取するに問題ありません。なぜなら、フルーツは糖質だけではなく水分やビタミンも多く含まれるからです。「食後のお口直しにフルーツ」はオッケーですよ。最近ではスーパーでスイカが出てきて少しずつ夏の訪れを感じます。早く梅雨明けしてくれるといいなぁ。