- 糖化と運動
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ここ最近流行っている健康にまつわるキーワードって何ですか、と聞かれたら、間違いなく「腸内細菌」でしょう。日本だけでなく、アメリカでも腸内環境を改善する「プロバイオティクス」が配合されたサプリが人気ですし、サプリだけでなくプロバイオティクス入りのプロテインパウダー、栄養ドリンクなど様々な商品に取り入れられるようになっています。
日本でも、テレビや雑誌でよく特集が組まれるようになり、「腸内細菌」がなんとなく身体にいいといった認識は広まってきていると思います。
しかし、腸内細菌がどのように身体にいいか、本当にご存知ですか?便秘などの消化運動だけでないんですよ。認知症の改善や免疫力アップ、痩せやすい体質になるなど、腸内環境を整えるメリットはたくさんあります(詳しくはこちらもご覧ください)。
そして、最近注目されているのが、腸内細菌が女性の骨粗鬆症予防になるのではないか、ということ。スウェーデンで行われた今回の研究では、閉経後の女性にラクトバシラスという乳酸菌のひとつを1年かけて投与したところ、投与してない女性と比較して骨密度に明らかな差が出た、ということが分かったのです。これまで、マウスを使った実験でプロバイオティクスが骨の改善をもたらすことが分かっていましたが、ヒトでも同じような結果となり、骨密度低下による骨粗鬆症によって悩んでいる高齢者に、将来新しい治療法の選択肢としてプロバイオティクスがスタンダードとなるかもしれません。
ここで、骨粗鬆症は老人だけの問題だから自分は関係ないやと思っている方、要注意です。最近、特に若い女性の過度のダイエットや偏食などによって、若い人の「隠れ」骨粗鬆症リスクが問題となっているのです。骨粗鬆症はいわゆる骨がスカスカになる状態ですが、女性の場合閉経でホルモンバランスが変化すると、一気にそのリスクが上がります。すると骨折しやすくなるだけでなく、顔では頭蓋骨の萎縮によって「たるみ」の原因になります。つまり、骨は「見た目年齢」にも関係しているのです。
骨粗鬆症予防、つまり「骨ケア」には何が重要かというと、まずは運動です。運動の中でも、骨に負荷がかかるようなものがいいとされています。医学的にも推奨されているのは、ランニング、スクワットです。特にスクワットは自宅でも簡単にできる運動なので、取り入れやすいですね。ぜひすぐに実践してみましょう。
食事では、女性ホルモンであるエストロゲンと似たような機能をもつイソフラボンのひとつである「フィトエストロゲン」は、女性の場合積極的に撮りたい栄養素のひとつです。フィトエストロゲンにはいくつか種類があり、大豆に多く含まれる「イソフラボン」、フラックスシードやベリー類に多く含まれる「リグナン」、スプラウト類に含まれる「クメスタン」、ナッツや赤ワインに含まれるレスベラトロールに代表される「スチルベン」などがあります。
腸内細菌から少し話が逸れてしまいましたが、「骨ケア」もアンチエイジングのトレンド。ぜひ覚えておきましょう。
参考文献:
Nilsson AG,et al: Lactobacillus reuteri reduces bone loss in older women with low bone mineral density: a randomized, placebo-controlled, double-blind, clinical trial. J Intern Med. 2018 Jun 21. doi: 10.1111