- 糖化と運動
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先日、虫歯ができてしまいました・・。アメリカの歯科治療は一般の健康保険ではなく歯科保険に加入していないと保険がまかなえず、大変高額になることが知られています。私も歯科保険に加入しておらずいくらになるのやら・・怖いです(笑)。妊娠中は虫歯になりやすいと聞いていましたがまさにそのような結果になってしまいました。
虫歯もそうですが、妊娠中は妊婦の身体が大きく変化します。全身を巡る血流量が増えますし、皮膚ではメラニンが刺激され肝斑や色素沈着ができやすくなります。そしてもうひとつ、免疫系にも変化を認めます。免疫とは、簡単に言うと外からの細菌やウイルスなどの異物を適切に排除するためのシステムのこと。様々な免疫細胞が複雑に関与しているのですが、妊娠すると免疫システムのバランスが崩れやすくなります。そもそも赤ちゃんが「異物」になるわけなので免疫系が変化するのは当然ですよね。免疫が低下する一方で、膠原病などの自己免疫疾患が発症・増悪するケースもあります。
そして、この免疫応答が赤ちゃんの性別によって異なる、という面白い報告があります。どっちがどうなのか。それは、女の子の赤ちゃんの方が免疫応答がより大きく働きかけ、男の子では比較的小さい反応を示す、というもの。サイトカインといって炎症に関係するタンパク質の違いによるものですが、じゃあ女の子の方が免疫が働いていいか、というとそういうわけでもなく、サイトカインが過剰に働くと疼痛を感じやすくなる、疲れやすくなるなどの弊害もあります。実際に女の子の赤ちゃんの妊婦さんで喘息の症状が悪化するケースが多いそうです。
他にもホルモンなども炎症レベルに影響を与えるため、赤ちゃんの性別がすべてではありませんし、免疫についてはまだ分かっていないこともたくさんありますが、なかなか興味深い。よく、赤ちゃんの性別によってお母さんの顔つきや体型も変わると聞きますがそれも関係しているのでしょうか。もしかして今回私が虫歯になったのも男の子だったから・・(笑)?そしたらしょうがないかなー、と諦め気分の今日この頃です。
参考文献:
Mitchell AM, et al. Fetal sex is associated with maternal stimulated cytokine production, but not serum cytokine levels, in human pregnancy. Brain Behav Immun. 2017 Feb;60:32-37. doi: 10.1016/j.bbi.2016.06.015. Epub 2016 Jun 29.
Lockwood KG, et al. Sex differences in the association between stressor-evoked interleukin-6 reactivity and C-reactive protein. Brain Behav Immun. 2016 Nov;58:173-180. doi: 10.1016/j.bbi.2016.07.001. Epub 2016 Jul 1.