- 糖化と運動
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健康増進や美容のために運動が非常に大事であることは周知の事実。ジムで筋トレしたりランニングしたり・・健康で元気なうちはそうやってワークアウトに励むことができても、歳を取ったり怪我をしたりで運動したくてもできない、という人もたくさんいます。
そんな運動ができない人も、プロテインサプリを飲めば運動した分の健康増進効果が得られる、そんな日も近いかもしれません、という報告。
今回、注目されたのは「セストリン(Sestrin)」と呼ばれるタンパク質で、このセストリンがワークアウト後の筋肉増強に重要な役目を果たしているタンパク質として特定され、注目を集めています。
セストリンの働きはそれだけではないようで、セストリンのノックアウトマウスを使った実験では、通常運動によってもたらされる有酸素能力(有酸素エネルギーを用いて行う運動の持続能力)や呼吸機能の向上、また脂肪燃焼効果も認められなかったとのこと。
さらにさらに、別の研究によるとセストリンには老化による筋肉の萎縮を抑制する働きもあるそうで、加齢や病気によって筋力が低下することによって様々な身体機能に支障をきたす「サルコペニア」にも大きく関与していることも明らかになってきています。
つまりセストリンは高齢化社会の今、今後ますます注目されること間違いなし、でしょう。
ここで気になるのは、セストリンが今後、臨床や実生活にどう応用されるかということ。例えばサプリメントになって売るようなことはあり得るのでしょうか?
それについては、現時点ではまだヒトでの研究の段階ではないですし、そもそもセストリンについては体内でどう合成されるか明らかになっておりません。まだまだ研究が必要です。また、セストリン自体の分子量も大きいらしいのでサプリに応用するには課題がたくさんありそうです。
それにしても、マイオカインだけでなく運動により様々なサイトカインやセストリンといったタンパク質がキーファクターとして作用していることが分かり、今後運動の分野は医学的な研究がもっと進むのではないかと思います。
最後に、これはもう何度も言っていることですが、見た目年齢とは体内年齢に比例します。肌が綺麗になりたかったら運動はマスト。筋トレしましょう!少なくともセストリンのサプリが出るまでは、ね(笑)。
参考文献:
Myungjin Kim.et al. Sestrins are evolutionarily conserved mediators of exercise benefits. Nature Communications, 2020; 11 (1) DOI:10.1038/ s41467-019-13442-5