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2016のトレンドダイエット

  • 2016/01/01
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明けましておめでとうございます!2016年が始まりました。今年も元気に1年を過ごしたいですね。本年もよろしくお願い申し上げます。

早速ですが、流行の最先端であるアメリカで今年トレンドとなりそうな食品や食事法などをご紹介しようと思います。ちなみにここでは「ダイエット」とはいわゆる体重を落とすことではなく食事法のことを指しますので予めご了承ください。

1、Total fat時代の幕開け

これまでヨーグルトなどの乳製品は低カロリーで、かつカルシウムや鉄分などの他の栄養価は同等である低脂肪のものがダイエットや肥満防止にいいと言われてきました。しかし最近の研究で無調整のナチュラルなタイプのものと低脂肪のタイプものでは肥満や生活習慣病のリスクに有意な差はないということが分かってきました。乳製品の脂肪は主に飽和脂肪酸で、酸化されやすく大量に摂取すると動脈硬化などのリスクになるため、たくさん摂取していいというわけではありませんが、バターやココナッツオイルを敢えて摂らなくてもナチュラルに脂質を摂取できるため、マイルドな糖質制限ダイエット(これについてはまた後に詳しく紹介しようと思います)に有効な食材になると考えられます。

参考文献:Mario Kratz, etal; The relationship between high-fat dairy consumption and obesity, cardiovascular, and metabolic disease; Eur J Nutr(2013) 52, 1-24

2、さらに研究がすすむ腸内細菌

大腸に約1000兆個も存在すると言われている腸内細菌にはいわゆる善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があります。そのバランスが便通などの消化管の働きに影響を与えるだけではなく、「第二の脳」と言われるほど認知や自律神経の働きを担っていることが明らかとなり、特にうつ病や性格の形成にも腸内細菌が関与しているということが報告されています。腸内細菌が今後様々な疾患や健康維持にキーポイントとなってくることが予想されます。

参考文献:peter andrey smith; Neuroscientists are probing the connections between intestinal microbes and brain development; Nature(2015) 526, 312-314

3、bone broth

brothというのはいわゆる出し汁のことで、bone brothは牛肉や鶏肉などの骨から取れる出し汁を指します。骨に含まれるゼラチンやミネラルが腸内環境を改善する効果があるだけでなく、一番注目なのはその抗炎症作用です。骨に含まれる2型コラーゲンが関節リウマチなどの自己免疫疾患に効果があるという報告を皮切りに骨髄の栄養について研究が進み、コラーゲンだけではなくグルコサミンやコンドロイチンの組み合わせが特に関節の痛みなど抗炎症作用に有効なのではないかと言われています。アメリカでは昔から風邪をひいたときなどおばあちゃんがチキンスープを作る風習があり、「おばあちゃんの知恵袋」的なアイディアなのかもしれませんがここ数年でにわかに注目をあびています。

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参考文献:Trentham DE, teal; Effects of oral administration of type II collagen on rheumatoid arthritis; Science(1993) 5129, 1727-30

 

4、地中海料理に代わる?「ニューノルディック料理」

近年デンマークの「Noma」が世界のベストレストランに選ばれ、日本でも話題となりました。ニューノルディック料理とはデンマークやアイスランド、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドで食べられる料理からインスパイアされた料理スタイルです。これまで、たくさんの野菜とオリーブオイルに代表される地中海料理が健康によい料理の代表として多くのレシピ本が出版されていました。ニューノルディック料理も豊富な野菜を使う点では地中海料理と大きな変わりはありませんが、オリーブオイルの代わりに菜種油を使い、サーモンに代表される魚や海藻、そしてベリーを多く使う点が特徴です。特に肥満の人は血圧を下げたり、減量効果が認められたりとその効果が注目されつつあります。さらに地元の食材を使うという「地産地消」である点も特徴で、健康的かつエコなスタイルが時代に即していることから着目されています。

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参考文献:Sanne K poulsen, etal; Health effect of the New Nordic Diet in adults with increased waist circumference; Am J Clin Nurt(2014) 99, 35-45

5、細分化される古代穀物

天然のサプリメント「スーパーフード」としてキヌアやアマランスなどの古代穀物が日本でも徐々に浸透しつつあります。これらの穀物は一般的な白米や小麦と比較して食物繊維やビタミンB、ミネラルを豊富に含むことから健康食品としてアメリカではスムージーやシリアルなど様々なレシピに追加して摂取することがブームです。この人気に乗じてさらに多くの古代穀物が登場してきています。例えばブルグル、テフ、キビ、そば粉、玄米など…。中には日本で馴染みのある穀物もありますね。血糖値が急激に上がりにくいことも特徴で、ダイエットにもぜひ取り入れてほしい食品です。

以上、健康志向の高いアメリカのトレンドダイエットのうち医学論文でもその効果が報告されているものを中心にいくつかご紹介しましたが、気になるものはありましたでしょうか?これらを踏まえた「Dr.recipe」をまた後ほどご紹介できたらと思います!

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