- 糖化と運動
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私が高校生の時に当時大スターだったブリトニー・スピアーズ。ローライズジーンズが流行ったり彼女の影響力はすごかったです。数年前に、ラスベガスで彼女のショーを初めて見に行ったのですが、往年の名曲はもちろん楽しみつつ、気になったのは・・ブリトニーの体型。なんかおばさんになったなぁというのが正直な感想でした。
若い時はとてもスレンダーでも歳をとると中年体型になってしまうのは特に欧米人で多い気はしますが、誰もが多少なりとも歳を取って痩せにくくなったり、脂肪がつきやすくなったことは経験しているのではないでしょうか。
そもそも、なぜ歳を取ると太りやすくなるのか。そのキーポイントが「脂肪細胞のターンオーバー」にあるということが最近の論文で発表されました。
脂肪のほとんどは白色脂肪細胞によって構成されます。この白色脂肪細胞は、実はミクロレベルで代謝されており、絶えず排斥・貯蓄を繰り返しています。これを脂肪細胞におけるターンオーバー(新陳代謝)と呼び、このスピードが歳を取ると遅くなって蓄積に傾きやすくなることが太りやすくなる原因、というのが提唱されたセオリーです。
論文では、減量手術(脂肪吸引ではなく、胃バイパス術のこと)を受けた人を7年間追跡した結果、手術前に脂肪細胞のターンオーバーが低値を示していた被験者のみが、ターンオーバーの向上と体重が増加せずに維持ができていたという結果でした。
よく、「歳をとると基礎代謝が落ちるために太りやすくなる」と言われますが、今回の報告で基礎代謝量だけでなく、新たに脂肪細胞のターンオーバーが関与している可能性があるということが分かったのは、とても興味深いです。私たちの身体のメタボリズムってまだまだ分かっていないことも多いんだなぁ・・
そうなると気になるのが、どうしたらターンオーバーが向上できるのか?ということですよね。
ターンオーバーは、年齢だけでなく体重によっても変化するらしく、論文では、持久力トレーニングによってターンオーバーが促進され、若い脂肪細胞でいられる可能性が指摘されています(これは別の論文ですが20分のトレッドミル歩行を週に3回)。
アンチエイジングには運動がやっぱり欠かせない。もう逃れられないですね・・笑。
それにしてもブリトニーはライブでかなり激しい運動をしているのに、やっぱりいっぱい食べちゃうのかな。なんかそんなキャラクターも含めて今後も彼女を応援していきたいです。
参考文献:
P. Arner, S. et al. Adipose lipid turnover and long-term changes in body weight. Nature Medicine, 2019; 25 (9): 1385
You T, et al. Effect of hypo caloric diet and exercise training on inflammation and adipocyte lipolysis in obese postmenopausal women. J Clin Endocrinol Metab. 2004;89(4):1739-46