- 糖化と運動
- 運動が糖尿病のリスクを軽減することは広く知られています。同様に、運動が抗糖化対策になることもこれまでの報告で明らかになっております。実際に、同じ年齢のアスリートは、運動習慣のない人とCMLなどの老化物質AGEsの量が21 […]
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今年も早いものでもうすぐ12月、忘年会シーズン到来です。この時期、普段はあまり飲まないという方でもアルコールの量が増えがちになりますね。さて、そこで今日みなさんに覚えていただきたいのが「アルコール」と「老化」の関係です。
タバコが老化を促進することはよく知られていますが、お酒も老化を加速させることは実はあまり広く知られていません。
よく、ワインはポリフェノールが多く含まれていて健康にいい、と言われます。確かにワインはお酒の中でも糖質が比較的低く、ポリフェノール多く含まれているため、その抗酸化作用が期待されますが、実は問題なのは糖質やポリフェノールではなく、アルコール(エタノール)そのものなのです。
お酒の種類に関係なく、アルコールは化学的に「アルデヒド基」を含みます。このアルデヒド基はタンパク質とくっつき、AGEsを作ります。そう、「糖化」が起こるのです。ここで糖化やAGEsについてピンと来ない方はこちらを参照していただきたいのですが、簡単に言うと「糖化」とは身体の中で起こる老化現象のひとつ。
実際に、お酒を飲む頻度が多い人は体内のAGEs量が多いということがこれまでの研究で分かっています。特に注意が必要なのが、「お酒を飲んだらすぐに顔が赤くなる人」です。このような人はアルコールの分解能力が低く、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドが長い時間体内に残りやすい人。そのため同じアルコール量でも、よりAGEsを産生しやすい傾向があるのです。
お酒の量は少ないに超したことはありません。しかし、飲み会の席で飲めるのに、全く飲まないのも気まずいですよね。そんなときは飲み会の前にお酢を飲むのがおすすめ。お酢には糖化を抑制する効果があります。最近ではたくさんの種類のデザートビネガーがスーパーなどでも売られています。水や炭酸水で割るととても飲みやすいです。そして、食後に同じく糖化を抑制してくれる緑茶を飲むのも有効です。
忘年会シーズン、気をつけると気をつけないでは老化のスピードに差がついてしまいます。上手にお酒と付き合っていきましょうね。
参考文献:
Nomoto K, et al:Skin accumulation of advanced glycation end products and lifestyle behaviors in Japanese: Anti-Aging Medicine 9(6): 165-173, 2012.