- 糖化と運動
- 運動が糖尿病のリスクを軽減することは広く知られています。同様に、運動が抗糖化対策になることもこれまでの報告で明らかになっております。実際に、同じ年齢のアスリートは、運動習慣のない人とCMLなどの老化物質AGEsの量が21 […]
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甘いものはお好きですか?私は大好きです!どれくらい好きかと言うと、好きな食べ物は何?と言われて「ハリボ(ドイツのクマのグミ)」と即答してしまったことがあるくらいです(笑)。また、大学時代にはホテルのスイーツビュッフェ巡りをしておりました。
しかし、ケーキやクッキーなどはいわゆる砂糖の固まりでダイエットの天敵とも言われるだけでなく、砂糖には依存性があり、さらには腸内環境を悪化させることで記憶などの認知力に影響を与えるという報告もあります。そのため、上手に砂糖と付き合っていきたいですよね。
砂糖にも色々な種類があります。白砂糖、三温糖、黒砂糖は見た目は異なりますがいずれもさとうきびを原料として作られたものです。そのほとんどの成分が、分子構造的に見るとブドウ糖と果糖がグリコシド結合したショ糖(スクロース)から構成されます。
ここで「GI値」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?GIとはglycemic indexの略で、血糖値の上昇率をブドウ糖を100とした場合にどれくらいかを数値で表したものです。ショ糖は急激に血糖値を上昇させます。GI値は白砂糖:110、三温糖108、黒砂糖99といずれも高値です。
急激に血糖値が上昇すると、血糖値を下げる「インスリン」の分泌を促進させることになり、どんどん分泌させていくうちに徐々にインスリンに対する反応が鈍くなって糖尿病を招きやすくなります。また過剰なインスリン分泌は中性脂肪の分解を抑制し、肥満の原因にもなってしまいます。それだけではありません。高血糖の状態が続くと「AGE」という老化物質をどんどん作り出してしまいます(AGEについては前回のブログ、またはこちらをご覧ください)。
分かっていても甘いものが食べたい!そんなときにおすすめの方法は
1、砂糖の種類を替える
2、食物繊維と一緒に摂取する
この2つの方法です。
まず砂糖の種類についてですが、ココナッツシュガーやアガペシロップ、メープルシロップは比較的血糖が上がりにくく、GI値もそれぞれココナッツシュガー35、アガペシロップ28、メープルシロップ73と一般的な砂糖と比べて低値です。はちみつはGI値は85と高いもののショ糖の含有量は10%と以下と低いため、はちみつやこれらの砂糖をうまく利用するといいでしょう。
もうひとつ、おすすめはオリゴ糖です。オリゴ糖はビフィズス菌などの腸内細菌を増やす効果が認められており、腸内環境を改善する「プレバイオティクス」として注目されています。オリゴ糖はてんさい糖に多く含まれます。てんさい糖はてんさいを原料と作られており、通常の砂糖と比べて少し溶けにくいですが、甘みも少なめでまろやかな味わいが特徴です。
そして食物繊維。以前のブログでも紹介したように、食物繊維は腸内環境を改善します。また、砂糖と一緒に食物繊維を摂取した場合、砂糖による血糖値の上昇を緩やかに抑えることができます。
けれど食物繊維をどうやってスイーツに取り入れるの?と思ったあなた。ここで満を持して(?)私がよく作るプリンをご紹介したいと思います。それはチアシードを使ったプリンです。
チアシードは中南米原産のミント科サルビア属の種子で、食物繊維を豊富に含みます。通常プリンは固めるためにゼラチンを入れて冷蔵するか、オーブンで焼く必要がありますがチアシードには水分を含むと膨張してゼリー状になる性質があり、その必要がありません。材料を混ぜて放置するだけ。とても簡単です。チアシードプリン自体はクックパッドなどでも似たようなレシピがヒットしますし人によっては特に真新しさがないかもしれませんが、このプリンはココアパウダーを使っており、ココアに含まれるポリフェノールの抗酸化作用で美肌効果も期待できますよ。ぜひトライしてみてください。
<チョコレートチャイチアシードプリン>
材料(4人前)
・チャイティーバック 3パック→お湯150〜200mlで蒸らし、パックを外す
・ココナッツミルク 1/2缶(200-250ml)
・メープルシロップ(アガペシロップやはちみつでも可) 大3
・ココアパウダー 大4
・バニラエッセンス 数滴
・チアシード 大8(大さじ1で10g)
作り方
1、チアシード以外の材料を混ぜる
2、だまなく混ざったらチアシードを加え、さらに混ぜる
3、冷蔵庫で1〜2時間寝かせる
4、もう一度かき混ぜ、チアシードが均等になるようにする
5、入れ物に入れ、上にリンゴやいちごなど好きなフルーツを添えて出来上がり
(1人前:カロリー230kcal、タンパク質5.6g、脂質16.2g、炭水化物18.6g、食物繊維8.5g)
参考文献:
K.R.Magnusson, et al: Relationships between diet-related changes in the gut microbiome and cognitive flexibility: Neuroscience,2015, 300(10)128-140
Nicole MA, et al: Evidence for sugar addiction: Behavioral and neurochemical effects of intermittent, excessive sugar intake: Neurosci Biobehav Rev: 2008: 32(1)20-39