BLOG

ブログ

じわじわきている「アンチエイジング」な調理法

  • 2016/04/08
  • カテゴリー :
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

職業柄、もともと友人からスキンケアについてよく質問を受けるのですが、アラサーになった最近ではアンチエイジングについて聞かれることが増えました(笑)。美肌への道は1日にしてあらずではないですが、どんなメソッドも習慣づけすることが大事です。今回はその中でもアンチエイジングな調理方法「低温調理」についてご紹介したいと思います。まず低温調理って何?って言う方はまずはこちらをご覧になってくださいね。

IMG_0058一言で言うと、お肉などのタンパク質が変性しない低い温度(40〜65℃くらい)で調理することなのですが、低温調理で作った料理はただ美味しいだけでなく、栄養素も逃げずかつ「AGE」が抑えられるためアンチエイジング対策にもなります。そのため低温調理がもっと世間にも広く知られてほしいなぁと思っているのですが、ただひとつ気になるのは

まだまだ「AGE」に対する認知度が低いのではないか、

ということです。みなさんはAGEをご存知でしょうか?

AGEとは「タンパク質が糖と反応(糖化反応、メイラード反応)してできる有害物質で、老化や生活習慣病に影響を与えるもの」です。そしてAGEの厄介な点は一度生成されるとなかなか分解されずに体内で蓄積されていくということです。

以前、若い女性にモニターになっていただきAGEのデータを集めていたのですが、そのときにAGEの話をするとほとんどの方が「糖化って何ですか?」「AGEって初めて聞きました」というような反応でした。

AGEは糖尿病の方や健康を気にする世代(40、50代〜)では徐々に認知されてきている単語ではあるものの、若い世代にはいまいちまだ浸透していない印象があります。しかし繰り返して言うようにAGEは蓄積されていくものなので

若いうちにこそAGE対策を!

となるわけです。一度、試しにご自分のAGE値を測ってみるといいと思います(AGE測定器を扱う会社のHPです)。最近ではクリニック以外でも測れるところが増えてきています。メーカーによってはAGE値だけでなくAGE年齢も測定できます。人によっては実際の年齢と20歳近く差が出てきてしまう人もいるんですよ!

このAGE値は見た目年齢と相関すると言われています。さらに食事由来のAGE(AGEには体内で生成されるタイプと食事由来のタイプがあります。詳しくはこちらをご覧ください。)に対して、糖尿病の人に低AGE食を摂取させたところ、身体の炎症反応が減って酸化ストレスも改善し、インスリン抵抗性(成人発症の糖尿病のほとんどはインスリンというホルモンに対する抵抗性が上がっています)が改善したという報告があります。さらにマウスの実験ではカロリー制限は行わずに低AGE食のみ行うことで寿命が延長したというものもあります。低AGE食、あなどれないな、というわけです。

そして、そんな低AGE食を可能にする優秀なガジェットが「Anova Precision Cooker」なのです(決して私はAnovaの回し者ではありませんよ笑)!

私は昨年Anova Precision Cookerを購入して以来、ほとんど毎日と言っていいくらい低温調理で作っています。角煮、ローストビーフ、蒸し鶏、サーモン、白身魚のソテー、煮物・・・。低温調理でできるレシピは数えきれないほどあります。これまで色々な低温調理レシピを作ってきましたが、Anovaだからこそ簡単にできる個人的おすすめのメニューは

「サーモンのコンフィ」です。

コンフィとは一言で言うと肉や魚をオイルの中で低温で煮る調理法のことで、サーモンのコンフィをAnovaで作る場合はジップロックにオリーブオイルと塩で下味をつけたサーモンを入れて、42℃程度で1時間弱低温調理を行うだけでフレンチレストランで出てくるようなジューシーなコンフィが完成します!

image2

ご覧ください!家庭でこの色のサーモン料理を作るのはかなり難しいのではないのでしょうか?ちなみに低温調理は肉の種類やレシピによって調理時間が変わってきます。そのため面倒なのでは?と思われる方もいるかもしれません。実際コツをつかんでしまうと面倒どころかスイッチをオンにして後は放置するだけなのでとても簡単です。火を使わないためそのまま外に用事に出かけても安全ですしサーモンであれば低温調理している間に他の料理に集中できます。

最近では、AGEを考慮した健康志向のレストランがニュース(ヤフーニュースより)になったりと、今後ますます低温調理やAGEが注目されることが予想されます。これを読んで低温調理が気になりだしたあなた。サーモンのコンフィ以外のレシピもまた随時紹介しますので乞うご期待です!

参考文献:Yamagishi S, et al;Food-derived advanced glycation end products (AGEs): a novel therapeutic target for various disorders: Curr Pharm Des.2007;13(27):2832-6

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こちらの記事も読まれています!

糖化と運動
運動が糖尿病のリスクを軽減することは広く知られています。同様に、運動が抗糖化対策になることもこれまでの報告で明らかになっております。実際に、同じ年齢のアスリートは、運動習慣のない人とCMLなどの老化物質AGEsの量が21 […]
糖化を抑える食事法
食べ物や調理法の次は、食事そのものをどのように工夫すると、糖化は抑えられるのでしょう。これまでの報告で分かっていることは次のようなことです。 野菜を先に食べる GI値の低いものを食べる(精製した炭水化物は控える) レモン […]
糖化と睡眠
日本人は海外と比較すると圧倒的に睡眠不足だと言われます。睡眠不足は身体にどう影響を及ぼすのでしょうか。 まず、統計学的に睡眠時間と相関しているのが分かっているのが肥満です。睡眠時間が短いと、肥満になる傾向があります。この […]
お酒は糖化にどう影響する?
ビール、ワイン、日本酒・・・ お酒の種類は様々ありますが、いずれもアルコールです。実はアルコールこそが糖化ストレスの引き金となります。アルコールは化学構造式的に「アルデヒド基」を含みます。糖化の犯人は、この「アルデヒド基 […]
アンチエイジングな調理法
糖化対策のひとつに、おすすめの調理方法があります。それは「低温調理法」です。 低温調理とは、一言で言うと、お肉などのタンパク質が変性しない低い温度(40〜65℃くらい)で調理すること。通常茹でたり焼いたりするとタンパク質 […]
糖化と肌の関係
皮膚における糖化ダメージは、見た目が老化に大きく関連してきます。具体的には「しわ」「たるみ」「ごわつき」「くすみ」「シミ」といったエイジングサインを促してしまうのです。   このことを少し詳しく説明したいと思い […]